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Archive for 1月, 2016

仮執行宣言付支払督促とは

支払い督促は裁判所が債務者の都合に関係なく申し立て内容だけを鑑みて発せられる命令です。これに債務者が異議を申し立てなかった場合、仮執行宣言付支払督促が送達されます。これにも異議を申し立てなかった場合、債権者はいつでも強制執行を行うことができるようになります。
金銭トラブルが発生し、支払いが滞ると債権者は支払督促の申し立てを裁判所にすることができます。裁判所は申し立ての内容から判断して支払督促を発布し、債務者に送達します。この時債務者の言い分は考慮されません。債務者は2週間以内に督促異議申し立てをすれば、通常の裁判の手続きに移行します。督促異議申し立てを2週間以内にしなかった場合債権者が仮執行宣言の申し立てを裁判所にします。裁判所は仮執行を宣言し、再び督促を債務者に送達します。仮執行宣言は判決に準じる効力を持ちます。債務者は2週間以内に督促異議申し立てをすることができます。督促異議申し立てをすれば、通常の裁判の手続きに移行します。2週間以内に督促異議申し立てをしなかった場合、債権者はいつでも強制執行が可能になります。債務者が強制執行を止めるには強制執行停止の申し立てを裁判所にしなければなりません。

支払督促に異議申し立ては可能?

なかなか貸したお金を返してくれない債務者がいて、裁判所を利用して解決したいと考えた場合、債権者は二つの方法のどちらかを取ってきます。まず、民事裁判で争う方法、そしてもう一つが支払督促を債務者に送るという方法です。
裁判所を通して送る支払督促は、債権者が私的に送る督促状とは違い、債務者が放置すると債務名義を取ることが出来て、差し押さえも出来るようになるという大きな効力があります。
では、もし支払督促を送られてしまった場合はどうすればいいのでしょう。この段階でもなお、債務の一括返済は無理ということであれば、異議申し立てをしましょう。
お金を借りたこと、返済していないこと、共に間違いないということであっても、異議を出して構いません。その場合は、分割払いではないと返済出来ないといったことを書きましょう。内容については、裁判所が受け取った後に債権者に送られるので、裁判所に切手代を払う必要があります。
一括返済が出来ないときに異議を出すのは非常に重要であり、もし出さないと一気に差し押さえまでいってしまう可能性があります。異議を出せば、すぐにでも裁判になるということは避けられますし、また場合によっては債権者が訴えを取り下げてきて、裁判自体を回避できる可能性もあります。

支払督促を受けるケースについて

お金を借りている状況で、債権者から支払督促されるケースというのは、長期間、返済が滞っているということに加えて、債権者と連絡が取れない状況にしている場合がほんどです。たとえば、住所に督促状を送ってもまったく返済されず、自宅に行ってもいつも留守で、お金を借りたときと現在の電話番号が違っていて電話が通じないという状態で、債権者自身がお金を返してもらうために出来ることは、もうほとんどないという状況で支払督促は送られるのです。
支払督促自体は郵便で送られる通知で、いつでも送れそうなものに見えますが、裁判所を通して送るために債権者自身が送る督促状と比べてお金がかかり、また手続きを行うために手間もかかるので、裁判と共に督促の最終手段の一つということになっています。
なので、支払督促が送られてきた場合は、債権者は裁判を実際に起こすことも考えていると判断した方がいいでしょう。ただ、本当に裁判をしてお金を返済させたいと考えている債権者は、支払督促を送ることを飛ばして、いきなり裁判をしてくるので、督促を送ってくるということは、裁判は出来るだけ避けたいので、連絡をもらえれば和解に応じてもいいというシグナルだとも考えられます。

支払督促手続とは

支払督促手続とは、一定の種類の金銭債権(給料・家賃など)について、訴訟を経ることなく相手に支払わせるという制度です。
金銭を支払わせるのが目的という点では少額訴訟と同じですが、こちらは金額に制限がないというのが大きな違いです。
この制度には、「書類だけで審査が行われるので、証拠調べなどの手間がかからない」「通常訴訟と比べて、手数料が安い(半分で済む)」などの利点があります。
一方、「相手の住所に書類を送るため、住所を知っている必要がある」「異議申し立てがなされると、通常訴訟に移らなくてはならない」という難点もあります。
実際に行う場合の流れは、以下のようになります。
まず、簡易裁判所に、申立書を出します。
審査して内容に問題がなければ、裁判所から支払督促が行われます。
2週間以内に異議申し立てがなく、支払いもない場合は、強制執行することになります。
強制執行の前段階として、「仮執行宣言」の申し立てを行います。
これも裁判所が審査して、内容が適正であれば「仮執行宣言付支払督促」が送られることになります。
これには判決と同等の効力があるので、即座に強制執行することが可能です。
相手が強制執行を止めようと思ったら、停止の申し立てをするしかありません。

裁判と呼び出し期日について

訴えられると、裁判所から何月何日に裁判を行うので出廷してくださいという案内が届きます。では、もしその日は行けないという場合はどうすればいいのでしょうか。
この場合、行けない理由によって対応が違ってきます。まず、遠すぎて金銭的に無理ということがあります。たとえば、本社が大阪にある貸金業者から東京に住んでいる人がお金を借りて返せなくなった場合、貸金業者は大阪の簡易裁判所に訴えることが一般的なので、債務者は東京から大阪に行かなければなりません。この交通費を出せないので出廷出来ないという場合は、移送という手続きを行うことで裁判所の場所を変えられることがあります。
では、場所は問題ないが、指定された期日は都合が悪くて出廷出来ないという場合はどうすればいいのでしょうか。この場合、原告、あるいは原告の代理人に連絡して、その日は出廷出来ないので別の日に変えてほしいとお願いすることになります。もし、相手が変更を認めてくれれば、その後、裁判所に連絡をして、原告から同意をもらったので別の日にしてほしいと伝えて変更してもらうことになります。
原告に変更を拒否された場合は、答弁書を書いて送りましょう。そうすれば欠席扱いにはなりません。

訴訟と簡易裁判所の関係について

簡易裁判所は裁判所の中で最も下に位置する下級の裁判所で、日常生活において発生する軽微な民事事件や刑事事件を時間をかけず、簡単に処理する目的で設置されています。簡易裁判所は裁判所法33条によって特定の事項についての第一審の裁判権が与えられており、それによると、訴訟価額が140万円以下の請求の民事事件、罰金以下の刑にあたる刑事訴訟などが第一審の裁判権となっています。この他には少額訴訟や起訴前の和解、令状の発行、督促手続、証拠保全、民事調停、公示催告手続、略式手続、交通事件即決裁判手続なども行っています。簡易に処理するための裁判所ということで、裁判所を利用した経験がなく、法律に詳しくない人でも簡単に裁判所を利用できるように様々な工夫がなされており、書き込むだけで簡単に裁判所に提出する書類が作成できる定型訴状や定型調停申立書などが用意されています。全国の主要な都市や中小都市を中心に438箇所の簡易裁判所があり、種子島や屋久島などの離島にも設置されていますが、地域によっては月に1~2回程度しか簡易裁判所が開かないこともあり、慢性的に人手不足の状態となっています。そのため、簡易裁判所判事の多くが1人で複数の裁判所を担当しています。ピーマン02

特定調停について

特定調停とは、裁判所を介した任意整理のことです。
「支払ができないわけではないが、いずれ行き詰まることが明白である」という状況の人を救済するため、平成12年2月から施行されました。
これを利用するには、「利息制限法で計算し直した債務を3年以内に返せるか」ということがポイントとなります。
任意整理と似ていますが、そちらは債務者(代理人である弁護士なども含む)と債権者が直接交渉するのに対し、こちらは裁判所が両者の間に入って交渉を進めて行くという所が大きな違いです。
交渉がまとまれば、「調停証書」が作られます。
調停証書には、判決と同等の効力があるので、それ以後に返済が滞ったりすると、債権者は裁判を起こすことなく強制執行することが可能です。
この制度には、「費用が安い」「法律の知識はあまり要求されない」「他の制度よりも時間がかからない」「利息制限法で計算し直すのが簡単」「手続きを進めている時に強制執行されても、停止することができる」などの利点があります。
一方、「ブラックリストに名前が記載されてしまう」「債権者一人一人と交渉しなければならない」「話し合いに応じない債権者に対しては、あまり効果がない」などの難点もあります。ピーマン01

「訴訟」と「調停」の違いとは

訴訟と調停の最大の違いは、「話し合うのか、論争するのか」ということです。
前者は、「両者の間で、どんな争いがあるのか」「それにより、どのような権利を主張したいのか」ということを裁判官に判断してもらいます。
法律の知識が必要なため、たいてい弁護士に依頼することになりますが、結果は弁護士のスキルに大きく依存します。
一方、後者は話し合いでの解決を目的としています。
訴訟は、以下のような流れで行われます。
まず、どのような争いがあるのかなどを記載した訴状を作り、裁判所に出します。
口頭弁論の日が指定されるので、お互いが出廷します。
裁判官の指揮の下、口頭弁論が行われます。
お互いの主張したい事柄に応じて、証人を呼んだり証拠書類を出したりします。
主張や証拠が出尽くしたら、裁判官がそれらを吟味したうえで判決が下されます。
調停は、以下のような流れで行われます。
まず、訴状の代わりに申立書を作ります。
これを裁判所に出すと、期日が指定されます。
お互いが裁判所に出向きますが、法廷ではなく別室で話し合いが行われます。
一人ずつ部屋に入り、言い分を聞いたうえで落としどころが提示されます。
その案にお互いが納得すれば、合理成立となります。パプリカ

簡易裁判の流れとは

簡易裁判所で扱われる民事事件の裁判の流れですが、刑事事件の裁判と違い、被告と原告がお互いに納得できれば和解させる方向に持っていくというのが基本です。
たとえば、債権が支払われないことで債権者が裁判を起こした場合、判決になれば、債務者は債権者にお金を返すようにということで終わるのですが、お金がないから支払えないという場合、そういった判決を出したとしても、なにも解決しないので、第三者を交えて別室で債権者と債務者に話し合ってもらい、落としどころを見つけてもらうようにするのです。この第三者というのは民生委員と呼ばれる一般人で、立会人のような役割をします。
そして話し合いで解決したらそれで裁判は終了、話し合いがうまくいかなかったら裁判官の判断で判決が出ることになります。
債権未払いについての裁判で、裁判官が和解を勧めるのは、「被告はお金を返す意思はあり、返済出来ないことを反省しているから、利息なしの分割返済を認める」といった判決を出せないからです。債権の未払いについては、基本的に100パーセント、債務者側に問題があることが多く、債権者にはなんの落ち度もないのに、情状酌量の余地があるといった理由で、債務者の心情に沿った判決を出すことは無理なので、話し合いで解決させようとするのです。ドリンク03

民事事件と簡易裁判所の関係について

簡易裁判所(簡裁)で扱える民事事件は、4種類あります。
一つ目は、「民事訴訟」。
個人間の争い事について、裁判官がお互いの主張を聞いたり、証拠調べなどを行った後、判決を下すことで解決します。
判決が出た後は、強制執行することも可能です。
ただし、簡裁では、訴額が140万円以下の事件しか扱うことができません。
二つ目は、「少額訴訟」。
原則1回の審理で決着するという、迅速な方法です。
訴額が60万円以下の事件のみが対象であり、証拠などはその場で確認できる物しか認められません。
また、原告の主張が通っても、分割払いなどの判決が出ることもあります。
三つ目は、「民事調停」。
裁判のように「どちらが正しいのか」を決めるのではなく、話し合うことで争い事を解決します。
「ややこしい手続きがないので、弁護士などに頼まなくてもできる」「話し合いで解決するので、遺恨が残りにくい」などのメリットがあります。
四つ目は、「支払督促」。
金銭や有価証券などの債権を取り立てるための手続きです。
書類だけで審査するので、いちいち裁判所に出向く必要がありませんし、手数料は訴訟する場合の半額とかなり安くなっています。
ただし、相手から異議申し立てがあった場合は民事訴訟に移らざるをえません。ドリンク02