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部分社会と司法権の関係

裁判所は国家権力の作用のひとつとしての司法権をつかさどる機関であるといえますが、この裁判所が取り扱う事件というのは、世の中のすべてが対象となるわけではなく、おのずと司法権の性質による一定の制約があります。司法権の対象というのは、基本的には当事者の間の具体的な法律関係や、権利や義務の有無を確認するものであって、しかも法律を適用することによって解決できるものでなければなりません。裏を返せば、これ以外の問題については、裁判所が裁判を行い、判決を下すということにはなじまないということになります。これが一般に司法権の限界とよばれているもので、そのような具体的事例のひとつとして、部分社会にかかわる問題があります。
部分社会というのは、学校や議会、政党などの独立した団体内部のことで、一般の市民秩序とは直接的には関連しないようなものを指しています。こうした団体の内部秩序の維持に関する問題にまで、裁判所のような国家権力がかかわることは、民主主義のあり方としてふさわしくないということから、司法権は及ばないとされているのです。たとえば、議会のなかで品位を汚す行為があった場合に懲罰が行われたり、大学の授業で学力が一定のレベルに達しなかったとして単位認定がされないケースをめぐる争いなどが考えられます。

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